【就任経緯】県立岐阜商業・鍛治舎監督インタビュー「地産地生」「時間革命」

【就任経緯】県立岐阜商業・鍛治舎監督インタビュー「地産地生」「時間革命」

2018年、秀岳館(熊本)を4季連続で甲子園に導いた県岐阜商OBの鍛治舎巧氏(66)が、母校である県立岐阜商業の硬式野球部監督に就任する。朝日新聞が単独インタビューを実施し、思いを語っている。

岐阜)「野球人生の集大成」 県岐商・鍛治舎新監督

2018年2月19日03時00分
朝日新聞から

監督就任の経緯は

昨年12月に先輩から電話で「戻って立て直してくれないか」と。秀岳館の監督をしていたので「冗談でしょう」という感じでした。昨夏の甲子園後、大学を含めて二十数校から(監督就任の)お話がありました。県岐阜商の先輩からも電話を頂きました。公立校にコールド負けしており、立て直しが喫緊の課題だと思い、要請を受けました。
母校というのは私にとって本当に大きい存在。今はやってやろうという気持ちです。野球人生の集大成、最後のステージになると思っています。

母校の印象は

1月に練習を見学し、選手のやる気を感じましたが、スポーツテストの結果は秀岳館よりはるかに低い。30メートルダッシュで一番速い子が4秒31。秀岳館では三十数番目。スイングスピードも相当差がある。意欲は高いけれどレベルは相当に低い。よく言えば伸びしろが大きく、どこまで伸びるかが楽しみです。

練習の方針は

秀岳館の練習時間は1日8時間くらいでしたが、それを3~4時間でやる「時間革命」を起こさないといけません。一人一人のやる気を引き立てるのが指導者の役割でしょう。部長らには「教えない勇気を持って」と話しました。一つの単元後や移動時間に手短に指導することや、選手が自分たちで集まって検討するのはいい。指導者が練習をいったん止めて教える時間は極力減らします。

秀岳館と同じで、守備練習と実戦形式の打撃練習は毎日あります。勝利の方程式だと思っているので変えるつもりはありません。

岐阜県の高校野球をどう見ているか

「野球鎖国」で他県の血を受け入れないイメージでした。甲子園の流行に乗り遅れている感じ。ですが、阪口慶三監督が東邦(愛知)から大垣日大に移って好転したと思います。公立校中心の県でしたから。阪口監督の功績は大きいのではないでしょうか。

もう1回、公立校を復活することが岐阜の高校野球界に一番求められるものだと思います。私立と公立が相乗効果でレベルを全国トップまで上げれば最高ですね。自分が一つのモデルケースになりたい思いです。(県内の)選手のレベルが低いとは思いません。日本一をめざして頑張る意識があるか、甲子園に出ることが目的なのかが重要だと思います。

県外に進学する中学のトップ選手も目立つ

それこそが岐阜の高校野球界の課題です。甲子園で勝ちたい選手が県外に行く判断は、やむを得ない。魅力がある野球部や指導者を岐阜が生み出していくことが大切でしょう。岐阜の選手は岐阜で生かす「地産地生」を目指すことが大事で、私も一翼を担いたいと思います。

公立校の特徴や勝つ難しさは

公立と私立を分けるのはおかしい。選手集めや練習時間に違いがありますが、それは仕方がない。だからといって勝つのが難しいことはありません。

監督として目標と楽しみにしていることは

(県勢として)甲子園で戦後初優勝をしたい。県岐阜商の甲子園の勝利数は歴代4位(春夏通算87勝)です。伝統の復活が私の役割ですから、そのためには最低5年は欲しい。

選手と毎日過ごすことは楽しみです。自分が学んだグラウンドで後輩たちと野球ができる。こんなにうれしいことはない。成長する喜びを味わわせてあげたい。(聞き手・室田賢)

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