【試合後に号泣】上田西GK小山智仁(2年)、絶望から這い上がった守護神がスーパーセーブ連発。

泣かなかった男が泣いた。
最後の最後、号泣していた。
上田西のキーパー、小山智仁(2年生)。
前橋育英との準決勝、
スーパーセーブを連発した。
試合終了後、応援団への挨拶の際、周りの仲間は涙を流す中、彼は涙を見せなかった。
その後、彼に注目していた。
最後の最後、控室に戻る選手全員を見送る姿があった。
小山は最後、号泣していた。
男は、控室に戻る全選手を見送った。
最後は、監督が肩を抱いた。
頭をポンと支えられ控室へ向かった。
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スーパーセーブ連発した小山
長野県勢初のベスト4、優勝候補の前橋育英相手に、小山智仁はスーパーセーブを連発した。
3点目を入れられるも「まだまだ!!」と仲間を鼓舞していた。
上田西GK小山智仁(2年)_絶望から這い上がった守護神
今季はレギュラーとして活躍しているが、インターハイ(全国高校総体)の予選では、市立長野高との準決勝で起用してもらえなかった。
小山は「あのときは、どうしても市立長野に勝ちたいという気持ちが強過ぎて、練習でまともにプレーできなくなって、コーチから『お前、おかしいぞ』と言われました。ただ、試合に出られなくてすごく悔しかったです。あれからメンタルトレーニングも積んで来ました」と夏の出来事を振り返った。
心身のバランスを崩すほどに、市立長野と戦いたかったのには理由がある。
白尾秀人監督は小山について語る。
「小山は、自分から声を出して3年生の中に入って行ける選手。
中学時代は、AC長野パルセイロの育成組織にいたけど、3番手で試合に出られなかった。
対して、相手は同じチームのエリートだった選手ばかり(先発11人中9人がパルセイロ出身)。
そういう点でも一生懸命にやっていました。インターハイ予選では気持ちがぶれてしまうところがあって起用できなかったのですが、今日は落ち着いてプレーしていましたし、成長を感じました」
と守護神を評価するとともに、小山が市立長野に対して特別な闘志を持つ理由を明かした。
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小山は、仲間と異なる進路を選び、地区リーグ、県3部、県1部と実戦感覚を取り戻しながら戦う舞台のカテゴリーを上げて這い上がって来た。
試合を2-1で勝ち切ると「後半の最初に攻め込まれていたけど、ピンチを止めれば、もう一度こっちに流れが来ると思いました。自分のミスで失点したのは悔しいけど、決勝で市立長野に勝てたことが嬉しい。自分の選んだ道は間違っていなかった」と笑顔を見せた。
中学時代の苦しみを乗り越えた努力が報われた。
なにしろ、小学生時代は評価が高く、パルセイロにも1番手の評価で入ったのに中学時代は3年間で数えるほどしか公式戦に出場できなかったのだ。
何度もサッカーを辞めようと考えた。しかし、上田西への進学を機に這い上がって来た。
楽しさを取り戻した小山は
「中学時代は、どうせ試合に出られないと気持ちが腐ってしまっていた部分もあった。でも、上田西に来てからは、何でも100%でやれるようになった。成長できたと思う」
と嬉しそうに話した。
次は、全国大会だ。1対1に強く、チームに流れを持って来る選手を目指す守護神は、さらなる飛躍を狙う。