【高校入学編】大阪桐蔭 根尾昂と西谷監督の出会い「医者を目指すなら今日でお別れしよう」

根尾昂と西谷監督の出会い

【前編】大阪桐蔭 西谷監督がラジオで語る|根尾昂・藤原恭大とは
【後編】大阪桐蔭 西谷監督がラジオで語る|メンバー外の選手の力

高校野球界で今最も注目される男・大阪桐蔭 根尾昂(あきら)。

ホームランも放つ魅力的なバッティング、ここぞという場面でゾーンに入ったかのようなキレキレのピッチング・最速148キロ、華麗なるショートの守り。中学時代は、生徒会長。頭脳明晰、スキーでは全国制覇。両親が医者、兄は医大生。

まるで漫画の中から出てきたような男は、なぜ大阪桐蔭に入学したのか。

そこには知られざる物語があった(読売新聞等を参考)。


「飛騨に、すごい投手がいる」

大阪桐蔭の西谷監督が根尾のことを知ったのは、岐阜県飛騨市立中2年の時だった。その時、根尾は、飛騨高山ボーイズに所属していた。

当時、大阪の「枚方ボーイズ(大阪桐蔭の藤原・報徳学園の小園)」との対戦が決まり、西谷監督は親交があるチームの監督に、メールで「実力を見てもらえないか」と依頼した。

監督とは、あの熊本・秀岳館を3季連続で甲子園の4強に導き、今は母校の県岐阜商を率いる鍛治舎監督だ。

その試合では、枚方ボーイズが勝った。だが、中学2年の根尾が1点しか与えなかったと聞き、西谷監督は驚いた。


鍛治舎が「かなりの逸材」と西谷監督へメール

鍛治舎監督から返ってきたメールには

「身体能力◎、体の中にバネがあり、これが2年生なら、かなりの逸材」と記載されていたという。

その後、西谷監督は根尾が出る試合に駆け付けた。最初に見たのは「ショートでのプレー」だった。

「ボールの捕り方はバラバラでめちゃくちゃでした」としながら、捕球後に横手から素早く一塁へ送球する動きに惚れ込む。「キューバ選手のように体の強さを感じた。鍛治舎さんの言う通りだった」。西谷監督が求める、「野球への情熱」も申し分なかったという。

それ以降、西谷監督は岐阜へ何度も足を運び、チームの監督に大阪桐蔭の育成方針を話した。ただ、親が医師で、学業も優秀と聞き、根尾が将来のことをどう考えているかが気になっていた。


「医者を目指すなら今日でお別れ」

根尾が中学3年になった6月ごろ、大阪桐蔭の練習を見学に来た。練習環境や寮生活のことなどを説明しながら、西谷監督は「日本一を目指して一緒に頑張らないか」と言った後、こう告げた。

「もし、医者を目指すのなら、今日でお別れにしよう。うちの練習は厳しいし、それだけの勉強時間を取るのは難しいと思う」

周囲からは、根尾の進学先として「関東の有名高校」の名前も聞こえていた。西谷はこの日が意思確認の期限と考えていた。すると、根尾が自分の思いを口にした。


僕はプロ野球選手になりたい

「僕はプロ野球選手になりたいです。よろしくお願いします」。

後日、両親から正式な入学の意思を伝えられ、西谷は責任の重さをかみしめた。「スーパー中学生」とネットでも話題になった根尾の入学後、大阪桐蔭はこの2017春までに3度甲子園に出場し、うち2度優勝。

いよいよ第100回目の記念すべき夏の甲子園が開幕する。


大阪桐蔭・根尾昂のここがすごい

・大阪桐蔭野球部内で唯一のAクラス
・中学時代は生徒会長や学級長をを務めていた
・学業もオール5に近い成績
・50m走 5秒8、短距離走で全国5位
・遠投(小学)89mソフトボール投げで歴代1位
・中学2年でアルペンスキーのスラローム(回転)で日本一
・中学2年時スキー・スラロームで世界大会に出場

大阪桐蔭・根尾昂のプロフィール・誕生日など

内野手・投手 右投左打
2000年4月19日生まれ
177cm /78kg・0型
※身長・体重は2018年8月時点
遠投115メートル
飛騨高山ボーイズ
中日ドラゴンズジュニア
JUNIOR ALL JAPAN
大阪府選抜(日台国際親善野球試合)
BFA U-18アジア選手権日本代表
2018年ドラフト候補
好きな食べ物はご飯
苦手な食べ物はなし
好きなプロ野球選手はイチロー
尊敬する人物は両親