【特集ページ】明秀日立 増田陸(巨人ドラフト2位)、元チームメイトは大阪桐蔭 中川主将

明秀日立 増田陸、ドラフト2位指名

増田陸(明秀日立)はドラフト2位で巨人が指名。背番号は61に決定。

巨人・坂本と増田、2人の共通点は「負けん気が強いこと。練習に対してストイックやね」と、話すのは明秀日立・金沢成奉監督。光星学院(現八戸学院光星、青森)監督時代に坂本を育てた名将だ。

「坂本がプロで初めてホームランを打った時は興奮した。次は増田のプレーで興奮したい。甘い世界じゃないけれど、いつかは2人が同じフィールドで戦っている姿を見たいね」。

大阪生まれで明るくて人懐っこい。「巨人に入ったので、ズームイン・サタデーに出たいっすね。人を笑わすことは得意なんで」と夢を語る。

【巨人 入団選手の背番号】
1位 高橋優貴投手 12
2位 増田陸内野手 61
3位 直江大輔投手 54
4位 横川凱投手 62
5位 松井義弥内野手 65
6位 戸郷翔征投手 68
育成1位 山下航汰外野手 009
育成2位 平井快青投手 012
育成3位 沼田翔平投手 016
育成4位 黒田響生内野手 021

契約金6000万円、年俸600万で仮契約

増田陸が11月12日、契約金6000円、年俸は600万円で仮契約した。背番号は、坂本勇が入団時に背負った「61」に決定した。

増田陸は「すごくうれしいです。努力して坂本選手を超えられるような選手になりたいと思います」とコメント。

仮契約にあたって、青木高広スカウトは「魅力はアグレッシブさ。攻守ともにスケールの大きさを感じる」と評価。「技術も体力も伸びしろはまだまだある」とコメントした。

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巨人の指名挨拶を受けた増田陸

11月1日、巨人の指名あいさつを受けた増田陸は、

「目標はトリプルスリー。まだまだトリプルスリーを語れる実力を持っていないので、しっかり努力して何年後かにはその目標を達成したい」とコメント。

金沢監督は「坂本と同様に野球に対する気持ちが強い。打撃に関しては相通じるものを持っている。貪欲に試合に挑む姿は、2人とも同じような形で現れていた」とコメントした。

<巨人>ドラフト結果一覧
◆支配下
1位 高橋 優貴(八戸学院大)投手
2位 増田 陸(明秀日立高)内野手
3位 直江 大輔(松商学園高)投手
4位 横川 凱(大阪桐蔭高)投手
5位 松井 義弥(折尾愛真高)内野手
6位 戸郷 翔征(聖心ウルスラ高)投手
以降 選択終了
◆育成
1位 山下 航汰(健大高崎高)内野手
2位 平井 快晴(岐阜第一高)投手
3位 沼田 翔平(旭川大高)投手
4位 黒田 響生(敦賀気比高)内野手

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巨人2位指名・明秀日立 増田陸のコメント

全国制覇を果たした大阪桐蔭・中川卓也主将とは中学時代は元チームメイト、高校通算34本塁打を誇るスラッガーだ。

プロでの目標については「トリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁)を目指す」と力強く宣言した。

「まさか2位で自分の名前を呼ばれるなんて思ってなかったので、ビックリしました」

金沢成奉監督は、光星学院高(現八戸学院光星・青森)時代に、巨人・坂本勇を育てた名将。今春のセンバツでは1番を打ち、3長打を含む5安打を放って16強入りに貢献した逸材。

指名直後、指揮官を通じて憧れの先輩と電話で話したという。

「一緒に戦えるなんて夢のようです。ポジションはどこでもいいので、一緒に試合に出たいです」

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元チームメイトの大阪桐蔭・中川と対決


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組み合わせ抽選会で再会した二人

16日の抽選会。増田君の視線の先に大阪桐蔭の中川君の姿があった。先にくじを引いた中川君が22番。

中川君はくじを引こうと前に立った増田君に「隣の23番を引け」と指で「2」「3」とサインを送った。増田君はにやりと笑った。

結局、3回戦で戦う組み合わせになると、増田君は「最初からやりたかったんですけどね。必ず2回勝って、大阪桐蔭とやりますよ」と意気込んだ。

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同じチームで二遊間コンビだった二人

増田君は大阪出身の遊撃手。中学時代は大阪福島シニアで二塁手の中川君と二遊間コンビだった。ただ、打撃センスもチームでの存在感も中川君が上だったという。

ランニング中に近道をして、主将の中川君から注意されたことも。同シニアの中尾学監督(37)は「増田は陰に隠れる存在だった」と振り返る。

増田陸は「打倒 中川」と寮の部屋に掲げる

2人は別々の道を歩んだが、関係を知る明秀日立の金沢成奉(せいほう)監督(51)はライバル心をあおった。

「中川は(2年で)甲子園でプレーしてんのに、お前は何してんねん」。実家からは中川君の活躍ぶりが載った雑誌が送られてきた。

「打倒 中川」。

増田君は寮の部屋のホワイトボードに書き込んだ。とにかくバットを振り、毎晩1キロの白米を食べる「食トレ」を続けた。

昨夏、心境の変化があった。甲子園で大阪桐蔭は中川君が九回2死から一塁ベースを踏み損ねるミスをした後、サヨナラ負けを喫した。寮のテレビで見ていた増田君は「あいつも失敗をするんだ」と「正直、安心した自分がいた」。

だが、中川君がその後、新チームの主将として前向きに再スタートを切る姿に胸を打たれた。増田君は当時、新主将に任命されてチームの統率に苦労していた。「中川でもミスして前向いてるんやから、こんなんで落ち込んでたらあかんわ」。ライバル心に、「尊敬」が加わったという。

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甲子園の舞台でついに激突する二人

増田君は昨秋の関東大会で2試合連続本塁打を放ち、チームを甲子園に導いた。

2人は今年1月にあったシニアのOB戦で再会。「打撃練習どうやってんの」。かつては増田君が野球について尋ねるばかりだったのに、初めて中川君に質問され、実力を認めてもらえた気がした。

増田君は迎えた今大会でも2試合で長打3本を放つなど強打をみせている。増田君について「守備職人」のイメージを持っていた中川君だが、「甘い球を一発で仕留め、変化球への対応もうまい」と警戒している。

増田君は言った。「今度は目の前で見せてやりたいな。俺の成長」